No.41 企画出版に成功するためのポイント
企画出版は本にしたいと思っている原稿やアイデアを著者本人が出版社に持ち込む方法です。企画が無事通れば出版社と契約し、現行の提出、編集者との校正作業などを通して出版されることになります。
この企画出版の大きなポイントは何と言っても著者自らが売り込むことです。例えば文学賞などの公募の場合、出版社の側からテーマやジャンルが指定されており、その範囲の中で作品を制作して応募する形になります。この場合、どうしてもメジャーなジャンル、世間で注目を集めているジャンルに限定されてしまいます。現在の出版業界では何十万部も売れるような大ヒット作だけでなく、多様化するニーズに応えられる本を求めています。こうした公募の文学賞では拾い上げることが難しい分野の作品は企画出版で門戸を開いている出版社も多いのです。
ですから、企画出版で自分の本を出したいと思った場合には出版社に魅力的だと思わせる企画を用意できるかどうかが鍵となります。売れそうかどうかが審査の重要な基準になるのはもちろんですが、それも先述したような何十万部といった大規模なヒットではなく、そのジャンルで書籍を求めている人たちの期待に応えられるかどうかがポイントとなります。またその著作によって新しいジャンルを掘り起こす可能性があるかどうかも審査の際の重要なポイントとなります。目まぐるしく変化し、多様化している現代社会では需要の掘り起こしも重要なテーマとなっており、出版業界でも需要が見込めるもののまだ開拓が進んでいない分野で優れた書籍を求めている傾向が見られます。
そのため、自分が書きたいテーマがこうした出版社のニーズに合っているかどうかも企画が通るかどうかの大事な鍵となります。ですからどの出版社でもよいのではなく、自分が書きたいテーマの書籍を多く扱っている出版社の方が当然チャンスが広がります。またその本を通してどのような読者層を取り込みたいのか、世の中に対して何を訴えかけたいのか、できるだけ具体的に説明できるような売込みも必要でしょう。企画出版ではこのような内容の良し悪しだけでなく、出版社に「本にしてみたい」と思わせる要素も求められるのです。