No.82 バイク熱が覚めたらバイク買取という選択肢

バイク熱というのはあるのだと思う。学生時代に1度はバンドを組んだりロックなんかにハマるように、若い時代の一時私たちの心を熱く惹きつけて焦がすのだ。最初は小さなバイクに乗って満足していても、じきに400ccや750ccの地面に響く深くて重いエンジン音に捉えられることになる。コーナーリングでの体重移動、風を切って走る快感は、車では得られないものなのだ。

この段階を通り過ぎても尚バイクを愛する人々もいる。1度行楽地でシニアのバイク軍団を見たことがあったが、メチャメチャイカしていたものだ。サイドカー付きのハーレーもいて、ああいう風に年をとりたいと思ったものだ。休みのたびにあちこちにバイクを走らせていたあの頃が、バイクと自分が1番心を寄せ合っていた時期だろう。

そんな自分も車を購入した後は、次第にバイクに乗ることが少なくなっていった。別にバイクが嫌いになったわけではない。ゆっくりと静かにバイクから遠ざかっている自分に、ある日気づくのだ。桜の季節や紅葉の時期、じかに空気を感じられるバイクではなく車のハンドルを握っている自分に気づくのだ。それで決心がついたのだ、バイクを売ることを。こいつだってまだまだ現役バリバリだから、再び走りたいに違いないのだ。

バイク買取専門店をネット検索して、いい業者のホームページを見つけ連絡を入れると、午後には来てくれると言う。バイク買取の情報はインターネット上でたくさん検索することが出来た。検索エンジンでホームページが上位表示されるにはSEO対策をすることが重要らしい。多くのサイトがSEO対策を行っているらしく「最新のSEO対策が10,000円!渋谷の【すまいるネット】」では気軽にSEO対策の相談ができるそうだ。

買取業者が来るまでに、久々にこいつをピカピカに磨き上げてやる。以前はツーリングのたびに触っていたよなぁ。何だか浮気したような妙な罪悪寒と、手放すことへの寂寥に一瞬胸が締め付けられたが、すぐに別の考えが私に確信を与えてくれる。こいつには大切にしてくれる誰かが必ずいるのだ。毎週こいつを走らせて、同じ時間を共有してくれる誰かが必ずいるのだ。だから贈る言葉は「さよなら」ではない。「行ってこい」、私は心の中でそう声をかけた。

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