No.64 更年期障害に漢方を利用するメリット

更年期障害とは閉経期が訪れた女性に見られるさまざまな症状のことで、通常は50歳前後の10年間くらいに起こります。これは閉経にともない卵巣機能が低下することでエストロゲンという女性ホルモンの一種の分泌量が減少することがおもな原因です。そのためこの年代に達した女性は体のメカニズム上どうしても避けられない部分がでてくるため、日常生活のなかでいかにうまく対策を行っていけるかがポイントとなってきます。

ただその対策がなかなか難しいのも事実。医療機関では減少するホルモンを補うことで改善を目指すホルモン補充療法が更年期障害の治療として広く用いられていますが、副作用のリスクや費用などの負担の問題がでてきます。また食生活の改善や運動を取り入れるといった日常生活での改善方法もありますが、継続するのが難しいうえに効果を実感しにくいデメリットがあります。手軽にできて続けやすく、それでいてある程度効果を実感できる方法が求められるのです。

そんな中サプリメントと並んで注目されているのが漢方です。副作用などのリスクが少なく、しかもトラブルを根本から改善していくことができる漢方薬のメリットがさまざまな分野で注目を集めていますが、体のメカニズムの変化によって生じる更年期障害はそんな漢方のメリットを活かすのにうってつけといえます。

漢方を更年期障害の改善・治療に役立てるためには症状に併せて適切な種類の漢方薬を活用していく必要があります。更年期障害は心身両面にさまざまな症状が見られるのが厄介な点ですから、自分にどんなトラブルを抱えているのかをできるだけ詳しく確認したうえで最適な漢方薬を選んでいくことが求められます。

例えばイライラなど精神状態の不調に悩んでいる方は「胡加竜骨牡蛎湯」、ホットフラッシュやのぼせといった更年期障害の典型的な症状に悩んでいる方には「加味逍遥散」などか適した種類となります。できれば自分で判断せず、お店などで詳しい人に相談したうえでピッタリの漢方を選ぶようにしましょう。

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