No.9 簡単な検査でストレスをチェック

従業員の心の病が社会問題にもなっており、うつ病やパニック障害による休職、退職の問題を抱える企業も増えています。これは心の問題を抱えた従業員の問題だけでなく、士気の低下や業務の停滞といった職場への影響、さらには企業の負担増といったさまざまな影響を及ぼします。現代のビジネスシーンでは従業員のメンタルヘルスは自己責任ではなく、企業が取り組まなければならない状況にもなっているのです。

そんな心の問題のおもな原因となっているのがストレスです。現代社会はストレス社会といわれていますが、終身雇用制の崩壊や成果主義の導入による不安や緊張に晒された生活、さらに景気をはじめとした先行きの見えない不安定な社会状況、希薄化したといわれる人間関係など、日常生活の中でストレスを抱える要因はことかきません。心の健康と平安を保つためにはストレスとうまくつき合い、適度に解消に努めながら蓄積が心身に影響を及ぼさないよう注意していくことが求められています。

しかしこのストレスは非常に厄介なもので、自分で「ストレスを感じている」と気づいていながら実際にどの程度のレベルなのか、それが心身にどの程度の影響を及ぼしてしまっているのかとなるとなかなか把握ができないのです。また人間の体はストレスに対する耐性もあるので、我慢を続けているうちに知らず知らずのうちに蓄積し、ある日急にうつ病やパニック障害などの問題を抱えてしまうこともあります。それだけにできるだけ客観的な形でストレスの状態を把握しておく必要が出てきます。

そうした事情もあり、企業にストレスチャック制度が導入されるなど環境の整備が進められていますが、まず自分でストレスの状況を確認してみましょう。その際に役立つのがストレスチェックの検査です。ネット上では簡単な質問に答えることでストレスの状態を把握できる検査を利用できるサイトもたくさんあります。またより本格的な検査を受けられる有料の検査を実施しているところもありますから、こうした検査をうまく利用し、日ごろからストレスの状態をチェックすることで自分自身でメンタルヘルスを行っていくことができます。

心の問題を抱えてしまうと精神科への通院や投薬など費用の負担が大きくなりますし、休職・退職に追い込まれてしまうと収入が断たれてしまいます。そうなる前にストレスチェックのための検査にお金をかけて対策を行うのも有効な自己投資の選択肢となるのではないでしょうか。

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